「さあ、みんなで組織のビジョンを語り合いましょう!」
かつて、ワークショップデザイナーとしての私は、そんな「正論」を現場に持ち込み、そして失敗しました。硬直化した組織の中で、固定観念に縛られたまま語られるビジョンは、誰の本音でもない「借り物の言葉」でしかない。そんな対話からは、何も生まれないことを痛感したのです。
そこから生まれたのが、Nuevo Lab独自の「Learn & Action(L&A)ワークショップ」です。 これは、あえて「真面目すぎる日本企業の旧OS」をハックすることから始める、一風変わったプログラムです。
【目次】
- 「ビジョン研修」が失敗する、本当の理由
- 旧OS(真面目さ)を、新OSへの橋渡しに使う「L&A」の仕掛け
- 「ただの課長」が「共に学ぶ仲間」に変わる瞬間
- 現場の「聖域」にメスが入る時
- 「診断なくして提案なし」——変わらない組織など存在しない
- 執筆者プロフィール
1. 「ビジョン研修」が失敗する、本当の理由
硬直化した組織に、いきなり「自由な発想を」と求めても無理があります。 失敗から学んだのは、「硬い土壌に種をまいても芽は出ない」ということ。固定化された対話の中から生まれるミッションやビジョンは、誰の心も震わせない。まずは、その「硬さ」をどう解きほぐすか。そこがすべての始まりでした。
2. 旧OS(真面目さ)を、新OSへの橋渡しに使う「L&A」の仕掛け
Nuevo Labが提供するすべてのワークショップがE-learningから始まるわけではありません。しかし、この「Learn & Action(L&A)」(https://nuevolabteam.com/od/learn-and-action)において、私たちはあえて「真面目すぎる日本企業の性質」をハックすることから始めます。
大手企業の方々は、基本的に「真面目」です。「言われたことはやる」「提出物は必ず出す」。この、一見すると保守的な「旧OS(規律と遵守)」を、私たちはあえて利用します。
L&Aは、「事前にE-learningで学ぶ」という宿題からスタートします。 自分が何をやりたいのか、どんなキャリアを目指したいのかを明確にした上で、自ら課題を決め、ワークシートを埋めてくる。「強制された学習」という旧OSの入り口から入り、気づけば「自発的な気づき」という新OSの領域へと足を踏み入れさせる。これが、硬い組織を溶かすための最初の楔(くさび)です。
3. 「ただの課長」が「共に学ぶ仲間」に変わる瞬間
ワークショップ当日、参加者が持参したシートを共有し合うと、化学反応が起きます。 それまで若手スタッフにとって「ただの課長」だった人が、実はチームの生産性向上について誰よりも熱心に学んでいる姿を目の当たりにする。
「この人、こんなにチームのことを考えていたんだ」 「この課長、めちゃくちゃ学んでいるな」
相手の「見え方」が、肩書きから個人の「学び」へと変わる。 寄せ集めの集団が、「共に成長する仲間」という信頼で結ばれたチームへと変容する瞬間です。
4. 現場の「聖域」にメスが入る時
信頼が芽生えると、行動が変わります。 ある課長は、学んだ知見を活かして「役割分担の見える化」を始めました。部長から「そんなの無意味だ」と反発されても、彼は学びに基づいたロジックで対峙し、新しい仕組みを実装し切りました。
すると、チームはついに、これまで誰も触れられなかった「組織の急所(レバレッジポイント)」に気づき始めるのです。
- 各自のPCに眠り、属人化しきったエクセルファイル。
- ナレッジが共有されず、特定の人に聞かなければ全体像が見えない構造。
- 中途採用者が活躍しにくい、不透明な土壌。
これらは、組織が硬直していた時には「仕方ないもの」として放置されていた領域です。 しかし、OSを橋渡しし、個人の意志が繋がった今の彼らは、自らナレッジの一本化に動き、経営層とも熱心にコンタクトを取り始めました。
5. 「診断なくして提案なし」——変わらない組織など存在しない
変わらない組織はない。私たちはそう信じている。
硬直化しているように見える組織も、そこに最適なソリューションをデザインすれば、必ず動き出す。しかし、そのソリューションは、表面的な「研修パッケージ」ではあり得ない。その組織が抱える真の課題、すなわち「旧OS」の性質や、そこに潜む「意志」の芽を深く理解しなければ、最適なデザインは不可能だ。
だからこそ、Nuevo Labは宣言する。「診断なくして、提案はしない」と。
私たちは、徹底した組織診断を通じて貴社の深層に触れ、貴社のためだけの、オーダーメイドの組織OS刷新ロードマップを描く。それが、私たちのプロフェッショナルとしての誠実さであり、確実な変化をもたらすための約束だ。
最後に:橋を架けるのが、私たちの仕事
硬直化した組織から、奇跡のような変化が生まれる。 それは、魔法をかけたからではありません。「旧OS(規律)」と「新OS(意志)」の間に、丁寧な橋を架けたからです。
「正解」を押し付けるのではなく、彼らが自ら気づき、動き出すための「土壌」を整える。 私たちのL&Aワークショップは、組織という生命体が、再び自らの意志で呼吸を始めるためのプロセスなのです。
👉 組織のOSを刷新し、自律的な変化を加速させる「Learn & Action WS」の詳細はこちら
執筆者プロフィール
寺澤 のぞみ / 株式会社Nuevo Lab 代表取締役 不動産ベンチャー、人材開発コンサルを経て株式会社Nuevo Labを設立。数々の「ワークショップの失敗」を糧に、日本企業の特性を活かした独自の組織変革メソッドを確立。現場の「旧OS」を尊重しながら、そこに「意志」を吹き込むことで、多くの硬直化した組織を再生させてきた。





