サマリ
- 「若手が育たない」「ミドルが動かない」と嘆く前に、組織OS(前提・対話の質)を整えないとどんな研修も定着しません。
- 東海の製造業・IT企業で起きているのは、能力の問題ではなく「安心して本音を出せる場」と「成長を見届ける対話」の不足です。
- 成人発達理論と伴走型の対話をベースに、現場の“指示待ち”を“自走”に変えていく具体的なスタートラインをお伝えします。
なぜ、あの優秀な若手が3年で辞めてしまうのか
東海の経営者の方とお話ししていると、こんな声をよく伺います。
- 「採用はそこそこうまくいっているのに、3年もすると主力クラスが辞めてしまう」
- 「若手は素直だけど、自分から提案してこない」
- 「DXや新規事業を任せたいが、結局最後は自分が意思決定している」
多くの企業がここで打つ手は、次のどれかです。
- 評価制度の見直し
- 研修メニューの追加(リーダーシップ研修、DX研修 など)
- 権限委譲の宣言
しかし、現場に降りてみるとこうなっています。
「任せると言われても、失敗したら評価が下がるのでは?」
「ミスなくこなすのが正解だと育てられてきたので、“挑戦しろ”と言われても怖い」
仕組みやスローガンを変えても、「人が世界をどう見ているか」(=OS)が変わらなければ、行動は変わりません。
現場で本当に起きている課題は「スキル不足」ではない
私たちが東海の製造業・IT企業の現場で見てきた課題は、大きく3つに整理できます。
1. 指示待ちではなく「誤解待ち」
若手が黙っているのは、何も考えていないからではありません。
- 「上司の期待を外したくないから、様子をうかがっている」
- 「どこまで言っていいのかの線引きがわからない」
- 「過去に本音を言って『生意気だ』と言われた経験がある」
つまり「考えていない」のではなく、「考えていることを出せない」状態です。
2. ミドルが“板挟み”で固まっている
中間管理職もまた、次のようなプレッシャーを抱えています。
- 上からは「もっと現場を巻き込め」と言われ、
- 下からは「方針がコロコロ変わる」と不満を受け、
- 自分自身は「相談できる相手がいない」。
「人を育てたい」気持ちはあるのに、日々の業務に追われて対話の時間を確保できない。
その結果、「指示を出してさばく」マネジメントに流れていきます。
3. 研修が“単発イベント”で終わっている
多くの会社で研修はこう設計されています。
- 1〜2日の研修で知識とワークを詰め込む
- 満足度アンケートで高評価をもらう
- 現場に戻ると「忙しいからまた今度」で実践が先送り
研修自体のクオリティは高くても、日常のOS(前提・対話の質)が変わらないため、行動として根付きません。
Nuevo Labのアプローチ:OSから変える「伴走型対話」
ここで私たちがベースにしているのが、成人発達理論と対話型アプローチです。
成人発達理論が教えてくれること
成人発達理論では、人は大人になってからも「ものの見方」「他者との関わり方」を発達させ続けられると考えます。
- 受け身のステージ: 「正解を教えてもらうのが安心」
- 主体のステージ: 「自分の価値観で意思決定できる」
- 共創のステージ: 「互いの違いを活かして、新しい解をつくる」
東海の現場では、真面目さゆえに「受け身のステージ」で止まってしまっているリーダーが多くいます。
ここを責めるのではなく、次のステージへと“上がりやすい場”を設計するのが私たちの役割です。
伴走型対話:正解を教えない勇気
Nuevo Labの場では、講師が一方的に「正しいやり方」を教えることはほとんどありません。
代わりに、こんな問いから始めます。
- 「あなたのチームで本当に起きていることは何ですか?」
- 「今、メンバーはどんな“物語”で上司を見ていますか?」
- 「1年後、あなたはどんなリーダーになっていたいですか?」
そして、対話を通じて参加者同士が気づき合う場をデザインします。
ここで起きるのは、次のような変化です。
- 「上が悪い」と言っていたリーダーが、「自分の関わり方も変えられる」と気づく
- 若手が、「会社ではなく、上司と対話すればいい」とわかり、踏み出せる
- 経営者が、「変わるべきは現場だけではなく、自分たちのメッセージと対話だ」と腹落ちする
この「内側の物語の書き換え」が起きて初めて、スキル研修や制度改革が効果を持ちます。
現場での具体的な一歩:3つの小さな実験
「理念はわかった。でも、明日から何をすればいい?」
そんな経営者・人事の方のために、東海の企業で実際に効果があった3つの小さな実験をご紹介します。
1. 週1回の「ノー正解ミーティング」をつくる
- テーマ:「今、現場でモヤモヤしていること」だけ
- ルール:
- 上司はアドバイス禁止、質問しかしない
- 若手は愚痴OK、ただし事実と感情を分けて話す
- ゴール:何かを決めることではなく、「お互いの見えている世界を知る」こと
2. 1on1の質問を3つだけに絞る
- 今週、一番エネルギーが上がった出来事は?その理由は?
- 一番エネルギーが下がった出来事は?その理由は?
- 来週、自分から変えてみたい行動は何?会社としてサポートできることは?
この3つだけで、本人の内側のOSにぐっと近づくことができます。
3. 研修のゴールを「行動」ではなく「問い」で設定する
研修の最後に、「明日からのアクションプラン」ではなく、
- 「この1ヶ月、自分は何を問い続けるか?」
を書いてもらい、上司と共有します。
例:
- 「メンバーが安全に失敗できる場を、私は本当に用意できているか?」
- 「この施策は、誰のどんな成長に繋がるのか?」
問いが変わると、見える景色と選ぶ行動が変わるからです。
東海の現場から、次の10年をつくる
東海の企業文化には、全国でも珍しい強みがあります。
- 真面目で、約束を守る
- 現場を尊重し、腰を据えて取り組む
- 一度スイッチが入ると、粘り強くやりきる
一方で、その誠実さゆえに「失敗してはいけない」「波風を立ててはいけない」というOSが、
挑戦や対話をブレーキしてしまうことも少なくありません。
Nuevo Labは、この地域ならではの**「不変の想い」を大切にしながら、
時代に合わせた「可変の戦略」**へ翻訳する伴走パートナーでありたいと考えています。
- 若手が「どうせ変わらない」ではなく、「ここなら自分も挑戦できる」と思える会社へ。
- ミドルが「板挟み」ではなく、「変化のハブ」として誇りを持てる会社へ。
- 経営者が「現場がついてこない」と嘆くのではなく、「一緒に未来を描ける仲間」が増えていく会社へ。
もし、あなたの会社でも
「研修はやってきた。でも、本当に変えたいのは“OS”のほうだ」
と感じているなら、ぜひ一度、東海の現場で何が起きているのかを一緒に棚卸しさせてください。
静岡・愛知・岐阜・三重から、自走する組織の成功事例をもっと増やしていきましょう。
その一歩を、私たちNuevo Labが伴走します。
🖋 執筆者・伴走パートナー
寺澤 のぞみ(Nozomi Terazawa) 株式会社ヌエボラボ 代表取締役 / 組織変革・新規事業開発コンサルタント
静岡・愛知・岐阜・三重を中心に、製造業やIT企業の「自走する組織づくり」を支援。成人発達理論と対話型アプローチを組み合わせ、現場の“OS(前提)”から書き換える伴走スタイルに定評がある。日本特殊陶業やサーラグループなど、地域を代表する企業の次世代人財育成や組織文化改革のプロジェクトを多数手がける。
- 専門領域: 組織開発、対話型ファシリテーション、成人発達理論、AI活用組織変革
- 大切にしていること: 「現場の熱量を信じ、正解を教えるのではなく、問いを立てること」

