【自走度とは】 自走度とは、組織が外部の指示・管理・監視がなくても、自律的に動き、問題を発見し、改善し続けられる度合いのこと。「社員のやる気」ではなく「組織の設計」が自走度を決める。


「社員が自走しない」

この言葉を経営者から聞く時、私はまず一つの問いを立てる。

「その組織は、自走を許す設計になっているか?」

自走度は「社員の意欲」ではない。「組織の設計」が自走を引き出すかどうかの問題だ。


自走度を測る12の指標

以下の12項目について、あなたの組織を1〜5で評価してほしい。

意思決定の自律性

  1. 現場が自分の判断で動ける「権限の範囲」が明確になっている
  2. 上司の承認なしに動ける日常業務がある
  3. 失敗した時に責められるより「何を学んだか」が問われる

情報の流れ 4. 現場が会社全体の方向性を知っている 5. 「誰でも見ればわかる」情報共有の仕組みがある 6. 問題が起きた時に自然に共有される文化がある

対話の質 7. 会議で部下が積極的に意見を言う 8. 管理職が「答えを出す」より「問いを立てる」場面が多い 9. 経営者と現場の「本音の対話」が定期的にある

成長への投資 10. 社員が「挑戦していい」と感じている 11. 失敗を共有・学習する仕組みがある 12. 「成長した実感」を定期的に振り返る機会がある

採点方法

  • 36〜60点:自走型組織に近い
  • 24〜35点:移行期。いくつかの急所を変えれば動き出す
  • 12〜23点:構造的な手入れが必要

自走度が低い組織に共通する3つの構造

構造①「確認文化」が根付いている 何かやる前に必ず上司に確認する。確認しないと怒られた経験が積み重なっている。「動いていいか聞いてから動く」が標準になっている。

構造②「問題の共有を避ける」文化 問題が起きた時に「できるだけ自分で解決して、上に報告しない」という動きが多い。これは問題隠しではなく、「問題を報告すると怒られる」という学習の結果だ。

構造③「評価が見えない」制度 何をしたら評価が上がるかが不透明。「頑張っても変わらない」という感覚が、行動への意欲を下げる。


スコアを上げる最初の一手

12の指標すべてを一度に変える必要はない。

スコアが低かった指標の中で、「これを変えるだけで複数の項目が連動して改善しそうだ」という急所を一つ選ぶ。

多くの組織で、その急所は**「管理職が答えを出すことをやめること」**だ。

管理職が「それはどう思う?」「君ならどうする?」と問い返すだけで、1・2・3・7・8の指標が一気に動き始める。

シンプルだが、これが最もよく効く最初の一手だ。


あなたの組織の自走度スコアはいくつだっただろうか。


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執筆者プロフィール

寺澤 のぞみ / 株式会社Nuevo Lab 代表取締役

静岡・東海エリアで100社以上の組織診断を実施。「自走力の12指標」は現場での観察から生まれたオリジナルの診断視点。組織の現在地を可視化し、急所への集中介入を実践している。