自動車業界向け素材メーカーとして、盤石な経営基盤を持ちながらも「停滞」を感じていたある企業。Nuevo Labが伴走し、全社的なワークショップを通じて「存在意義」を再定義したことで、組織の熱量は一変しました。なぜ、この会社は10年もの間、成長し続けることができているのか。その舞台裏を公開します。

1. 抱えていた課題:安定という名の「停滞」

当初、この企業は財務的にも健全で、現場の人間関係も良好でした。しかし、大きな課題が潜んでいました。

  • 下請けマインドの定着: 「完成車メーカーの要求に従うこと」が仕事の目的になり、自ら提案する姿勢が欠如。

  • ミドル層の安住: 部長職が前例踏襲に終始し、組織としての成長が止まっている状態。

    着目課題:事業と組織の不活性をいかに打破するのか

    2. 変革の着火点:部長たちの「冒険心」への火付け

    最初のステップは、部長層を対象としたマインドセットの変革でした。

    「自分たちは、何のためにこの会社で働いているのか?」

    徹底した内省を通じて、彼らがかつて海外拠点立ち上げなどで味わった「未知へ挑むワクワク感」を再発見。安住することではなく、再び「チャレンジすること」に自らの存在意義を見出しました。

    一人の意志から始まる組織変革

    3. 存在意義の再定義:下請けメーカーから「技術パートナー」へ

    次に、経営陣と部長陣、数十名が集まった大規模なワークショップを実施しました。そこで導き出したのが、新たな存在意義(パーパス)です。

    「私たちは、単なる下請けではない。最終製品メーカーの挑戦を技術で支える『技術パートナー』である」

    ただ言われたものを作るのではなく、相手の挑戦を成功させるために、自分たちの技術をどう活かすか。この視点の転換が、組織の全ての行動基準を変えました。

    存在意義とは何か?組織の想いを1つに

    4. 社長の決断:経営会議から「迷い」が消えた理由

    この変革を決定づけたのは、いわゆる「雇われ社長(サラリーマン社長)」による強いコミットメントでした。

    社長自身が「これを我が社の理念にする」と自ら決断したことで、経営判断の軸が一点に定まりました。

    • 判断基準の明確化: 「それは技術パートナーとしての提案か?」という問いが共有された。

    • 心理的安全性の向上: 「こういう提案なら受け入れられる」という確信がミドル層に生まれ、ボトムアップの提案が激増。

      存在意義の共有から始まる組織変革

      5. 10年連続増収増益という「必然の結果」

      理念が浸透したことで、現場からは積極的な技術提案や、他業界への展開が次々と生まれるようになりました。

      変化のポイント

      以前の状態

      現在の状態

      存在意義

      要求に従う「下請け」

      挑戦を支える「パートナー」

      ミドルの姿勢

      前例踏襲・安住

      積極的な提案・チャレンジ

      意思決定

      忖度と迷い

      理念に基づく迅速な判断

      業績

      現状維持(停滞)

      10年連続 増収増益

      6. 担当コンサルタントより(Nuevo Lab)

      組織が停滞する最大の要因は、スキルの欠如ではなく「目的の喪失」です。今回、部長層の内発的動機に火をつけ、社長が理念を自身の言葉として語り始めたことで、組織は一つの生き物のように動き出しました。10年の成長は、その「一貫性」が生んだ必然の結果です。


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